クリップのトランスコード

クリップをトランスコードすると、クリップを別の形式に変換できます。エクスポート処理を行っても、元のクリップ自体は影響を受けません(上書き、削除、変更されません)。


  1. 整理]または[編集]モードでエクスポートするクリップを選択します。

    左側のペインでは、ライブラリのフォルダ間を移動できます。中央のペインには、選択しているフォルダの内容が表示されます。

    • ファイルをクリックして選択します。

    • 選択する範囲の最初のファイルをクリックした後、[Shift]キーを押しながら最後のファイルをクリックします。

    • 複数のファイルを選択するには、[Ctrl]キー(Windows)または[⌘]キー(macOS)を押しながらクリックします。

      修飾キーを使わずに複数のファイルを選択するには、[選択]ボタン をクリックします。

      サムネイルの はファイル サイズ制限のために複数ファイルにまたがってはいるものの、Catalyst Prepare では単一の仮想クリップとして表示されるクリップであることを示します。複数ファイルにまたがる XDCAM EX クリップは、直接トランスコードできますが、AVCHD クリップを最初にコピーする必要があります。

      複数ファイルにまたがる AVCHD クリップをトランスコードするには、まずそれらを新規フォルダにコピーします。コピー完了後、 インジケーターが消え、複数のクリップが結合されて 1 つのクリップになり、トランスコードできるようになります。詳しくは、" クリップのトランスコード."を参照してください。

  2. Catalyst Prepare]ウィンドウの最上部にある[エクスポート]ボタン をクリックし、[エクスポート]ペインを使用してエクスポートされるファイルのエクスポート先と形式を選択します。

  3. [クリップのエクスポート先]ボックスに、選択したファイルのエクスポート先フォルダのパスが表示されます。ボックスにパスを入力するか、[参照]ボタンをクリックしてフォルダを選択できます。

  4. ファイル名を変更する場合は、[ファイル名の変更]チェック ボックスをオンにします。名前を変更すると、ソース ファイルは上書きされません。

    • すべてのファイル名の最初に同じテキストを付けるには、[プレフィックス]ボックスに文字列を入力します。

    • クリップに番号を付けるか、元のファイル名を使用するかを指定するには、[番号付け]ドロップダウン リストから設定を選択します。

    • すべてのファイル名の最後に同じテキストを付けるには、[サフィックス]ボックスに文字列を入力します。

      たとえば、Commercial_001_Camera1.mxf のような規則を使用してクリップに名前を付ける場合は、[プレフィックス]ボックスに「Commercial_」と入力し、[番号付け]ドロップダウン リストから[3 桁]を選択して、[サフィックス]ボックスに「_Camera1」と入力します。

      特定のファイル命名要件を持つエディタで使用する静止画像シーケンスをエクスポートする場合は、エクスポートしたファイルがエディタの要件に対応するように、[ファイル名の変更]コントロールを使用します。

  5. [ソース メタデータ]セクションに、選択したクリップのファイル名、色空間形式、フレーム サイズ、およびフレーム レートが表示されます。

    ストーリーボードまたはクリップリストを選択すると、ソースメタデータは表示されません。

    [インスペクタ]ペインの[ソース メタデータ]セクションにある[リセット]ボタン をクリックすると、[色空間]をクリップのメタデータに基づいてリセットできます。(または、選択した SR Live メタデータ ソースに基づいてリセットできます)詳しくは、"SR Live for HDR 設定"

  6. [トランスコード設定]セクションを使用して、エクスポートされるファイルの形式を選択します。トランスコード設定をデフォルト値に戻す必要がある場合には、[リセット]ボタン をクリックします。

    1. トランスコード プリセットを使用して、エクスポートしたファイルの設定を選択する場合、[トランスコード プリセット]ドロップダウン リストから設定を選択し、[エクスポート]をクリックします。

      カスタム トランスコード設定を選択する場合は、[トランスコード プリセット]ドロップダウン リストから[カスタム]を選択し、手順 b に進みます。

      詳しくは、"トランスコード プリセット."を参照してください。

      アプリケーション設定ダイアログで CPU 以外のビデオ処理デバイスを選択すると、SD および HD ソースを最新のプログレッシブ HD および UHD アセットに変換する、高品質のインタレース除去とアップスケーリングが適用されます。詳しくは、"ビデオ処理デバイスの選択."を参照してください。

      • HD または UHD レンダリング プリセットを選択すると、トランスコード時に高品質のアップスケーリングが適用されます。

      • GPU メモリに制限がある一部のシステムはサポートされていません。

    2. ビデオ形式にエクスポートする場合は、[色空間の出力]ドロップダウン リストから設定を選択して、新しいファイルのレンダリングに使用する色空間を選択します。

      [プレビューと同じにする]または[外部モニターと同じにする](外部モニターが有効な場合)を選択して、出力色空間と色調整をビデオ プレビューまたは外部モニタの設定に合わせることができます。詳しくは、"Catalyst Prepare オプションの編集."を参照してください。

      選択された色空間に色調整が含まれている場合、色調整アイコン は白色で表示され、色調整が含められることがツールヒントに示されます。選択された色空間に色調整が含まれていない場合、色調整アイコン は灰色で表示され、色調整が除外されることがツールヒントに示されます。

      選択した出力色空間がソース色空間に対応していない場合、現在の設定を使用してクリップをエクスポートできないことを示す警告が表示されます。

      SR Live 設定は、[出力色空間]ドロップダウンが[プレビューと同じ][外部モニターと同じ]に設定されている場合に限り適用されます。詳しくは、"SR Live for HDR 設定."

    3. [形式]ドロップダウン リストからファイル形式を指定します。

      選択した出力色空間でサポートされていない形式設定は選択できません。

      DPX 形式にトランスコードする場合、[フレーム インデックスの開始]ボックスに値を入力すると、トランスコードしたファイル名に数値インデックスを追加できます。

      [出力色空間][ACES][Rec.2020/Linear][S-Gamut/Linear]、または[S-Gamut3/Linear]に設定されている場合、[OpenEXR]は S-Gamut、RAW、または X-OCN ソースにのみ使用できます。

      ProRes は macOS でのみ使用できます。

    4. [フレーム サイズ]ドロップダウン リストから設定を選択して、レンダリングされるフレームの大きさを選択するか、または[ソースと同じにする]を選択して、選択されたクリップと一致させます。

    5. [フレーム レート]ドロップダウン リストから設定を選択して、レンダリングされるクリップの 1 秒あたりのフレーム数を選択するか、または[ソースと同じにする]を選択して、選択されたクリップと一致させます。

    6. [レンダリングのプリセット]ドロップダウン リストから、プリセットを選択します。

      選択した各クリップに最適なプリセットを Catalyst Prepare で選択する場合は、[最適な一致]プリセットを選択します。

      選択した出力色空間形式でサポートされていないレンダリングのプリセット設定は選択できません。

      [XAVC Long 422 3840x2160 200 Mbps (Sony)]レンダリング用プリセットには 16 GB 以上の RAM が必要であることに注意してください。さらに、専用の GPU をご使用の場合は、4 GB 以上の GPU メモリも必要になります。

    7. 1つのボディ パーティションから、セグメント化した複数のボディ パーティションを含むファイルを作成する場合は、[Sony Professional Disc のパーティションを作成]または[Segmented Body Partitions の作成]チェック ボックスをオンにします。チェック ボックスをオフにした場合、ボディ パーティションは変更されません。

      [Sony Professional Disc のパーティションを作成]チェック ボックスは、[形式]ドロップダウン リストで[XDCAM]を選択している場合にのみ使用できます。[Segmented Body Partitions の作成]チェック ボックスは、[形式]ドロップダウン リストで[XAVC Intra]または[XAVC Long]を選択している場合にのみ使用できます。

      セグメント化したボディ パーティションで作成されたファイルは、一部の Sony 製のカムコーダ、デッキ、またはサーバーで正しく認識されない場合があります。

  7. 追加のトランスコーディング設定を調整する必要がある場合は、[詳細設定を有効にする]スイッチを有効にします。

    1. [クロップの種類]ドロップダウン リストからクロップ方式を選択します。

      • [なし(レターボックス/ピラーボックス)]:ソース フレームが出力先のフレームの幅より広い場合、黒いバーが上下に表示されます(レターボックス)。ソース フレームが出力先のフレームの幅より狭い場合、黒いバーがフレームの両側に表示されます(ピラーボックス)。

      • センター クロップ(カット エッジ):ソース フレームが出力フレームと一致しない場合、フレームは中央に配置され、必要に応じてエッジがトリミングされます。

      • マスキング率を使用:[クリップ設定]メニューで選択されたマスキング率にフレームをトリミングします。詳しくは、"クリップ設定の編集."を参照してください。

    2. [エンコード モード]ドロップダウン リストから、画質、速度のどちらを優先するか指定します。

    3. オーディオ チャンネルドロップダウンから設定を選択して、オーディオを出力ファイルにレンダリングする方法を選択します。

      • ソースと同じにする:レンダリングしたファイルにはソース クリップと同じ数のオーディオ チャンネルが含まれます。

      • オーディオ チャンネルの割り当て:レンダリングしたファイルのオーディオ チャンネルに、ソース クリップからオーディオ チャンネルを割り当てる方法を選択できます。

        レンダリングしたファイルの各チャンネルにドロップダウン リストが表示され、目的のチャンネルにレンダリングするソース チャンネルを選択できます。

    4. 選択された複数のクリップを結合して 1 つの連続したクリップにする場合は、[クリップのステッチ]チェック ボックスをオンにします。新しいクリップ内での元のクリップの順序は、整理 または[編集モード]で表示されている順序と同じです。

      新しいクリップにソース クリップのタイムコードに基づく連続タイムコードを埋め込む場合は、[連続タイムコードを使用する]チェック ボックスをオンにします。クリップの順序は必要に応じて調整されます。新しいクリップのタイムコードが中断されることを確実に防ぐために、クリップ間に黒いフレームが挿入されます。詳しくは、"クリップのステッチング."を参照してください。

    5. エクスポートされるファイルのカスタム メタデータ項目を含める場合は、[カスタム メタデータの追加]チェック ボックスをオンにします。定義された各項目の編集ボックスが表示されて、そのメタデータ項目の目的の値を入力することができます。カスタムメタデータは、sidecar .jsonファイルに保存されます。

      [カスタム メタデータの追加]チェック ボックスが表示されるのは、エクスポートする項目を定義するための customMetadataExport.json ファイルをあらかじめ作成しておいた場合のみです。詳しくは、"カスタム メタデータのエクスポート."を参照してください。

    6. トランスコードされたビデオにタイムコードを含める場合は、[タイムコード書き込み]チェック ボックスをオンにします。

      フレーム内でタイムコードが配置される位置を指定するには、チェック ボックスの下にある位置コントロールをクリックします。

      トランスコードされたファイルにはソース クリップのタイムコードが含まれます。ストーリーボードをトランスコードする場合、各クリップにはそれぞれのソース タイムコードが表示されます。

    7. トランスコードされたビデオにクリップ名を含める場合は、[クリップ名書き込み]チェック ボックスをオンにします。

      フレーム内でクリップ名が配置される位置を指定するには、チェック ボックスの下にある位置コントロールをクリックします。

      クリップ名を変更した場合、カスタム名が表示されます。詳しくは、" クリップ名の変更."を参照してください。

      ストーリーボードをトランスコードする場合、各クリップにはそれぞれのソース クリップの名前が表示されます。

    8. [タイムコード書き込み]および/または[クリップ名書き込み]チェック ボックスがオンになっている場合、[レターボックス/ピラーボックス領域内への書き込みを許可]チェック ボックスをオンにすると、出力形式にレターボックスまたはピラーボックスが含まれ、タイムコード/クリップ名をレターボックス/ピラーボックス領域内に書き込めるようになります。

      チェック ボックスをオフにすると、タイムコード/クリップ名はソース フレーム領域に制限されます。

    9. ウォーターマーク画像をトランスコードしたビデオに含める場合は、[ウォーターマークの追加]チェック ボックスをオンにします。

      [参照]をクリックして、JPEG または PNG 画像ファイルを選択します。

      [不透明度]スライダーをドラッグして、ウォーターマーク画像の透明度/不透明度を設定します。

      [不透明度]スライダーの下の位置コントロールをクリックして、フレーム内に配置するウォーターマーク画像の位置を指定します。

      • 複数のフレーム サイズをレンダリングする必要がある場合は、最も大きいターゲット フレーム サイズを使用してフレーム全体が透明な PNG を作成します。必要に応じて、より小さいフレーム サイズに合わせて、ウォーターマーク画像のサイズが変更されます。

      • ターゲット フレーム サイズよりウォーターマーク画像のサイズが小さい場合、スケーリングは適用されません。画像は選択されたポジション コントロールの位置に固定されます。

    10. 回転したビデオまたはアナモフィック レンズで撮影したビデオを操作し、トランスコード時に[水平方向にフリップ][垂直方向にフリップ]、[回転]および[アナモフィック デスクイーズ]の設定を維持する場合は、[フリップ、回転、およびデスクイーズ設定を使用する]チェック ボックスをオンにします。チェック ボックスをオフにすると、レターボックスが適用されます。

      詳しくは、"クリップ設定の編集."を参照してください。

    11. トランスコード時に、フラッシュ バンドを自動的に検出して補正する場合は、[フラッシュ バンドを自動的に補正]チェック ボックスをオンにします。

      詳しくは、"フラッシュ バンドの補正."を参照してください。

    12. マーク イン ポイントとマーク アウト ポイント間のみをトランスコードする場合は、[マーク イン/アウト ポイントを使用]チェック ボックスをオンにします。詳しくは、"再生のイン ポイントとアウト ポイントのマーキング."を参照してください。

    13. マーク イン/マーク アウト ポイントの前後にのりしろをつける場合は、[パディングをクリップに追加]チェック ボックスを選択し、[秒]ボックスに数値を入力します。

    14. トランスコード時にソース クリップとしてプロキシを使用する場合は、[プロキシ ファイルをトランスコード]チェック ボックスをオンにします。低解像度のクリップをトランスコードしているときは、ソース メディアとしてプロキシを使用すると、より高速になります。

    15. トランスコード対象クリップの開始タイムコードを指定するには、[スタートタイムコード変更]チェック ボックスをオンにして、編集ボックスに値を入力します。チェック ボックスをオフにすると、クリップのタイムコードが使用されます。

      MXF クリップを DNxHD、SStP、XAVC-I、XAVC-L、および XDCAM の各形式にトランスコードする場合、[スタート タイムコードをオーバーライドする]チェック ボックスを使用できます。

  8. トランスコード設定を保存する場合は、[トランスコード設定]の見出しにある[トランスコード ツール]ボタン をクリックし、[トランスコード プリセットの保存]を選択します。

    詳しくは、"トランスコード プリセット."を参照してください。

  9. [エクスポート]をクリックします。

    複数のクリップを選択している場合、[エクスポート]ペインの下にある[エクスポート]ボタンは[一括エクスポート]ボタンに変わります。

    進行状況は[Catalyst Prepare]ウィンドウの上部にあるアクティビティ ペインに表示されます。手順 2 で複数のファイルを選択した場合は、各エクスポート ジョブに複数のファイルを含めることができます。複数のエクスポート ジョブがキューに含まれている場合は、ジョブごとの進行状況が表示されます。